【風俗の歴史はいつから？】過去の成り立ちから現代までを徹底解説
風俗店の始まりはいつ？
風俗店の始まりは、世界と日本で大きく異なります。世界では古代ローマ時代や古代ギリシャ時代、日本では奈良時代から平安時代にかけて風俗店が始まったと言われています。
世界での始まりは古代
諸説ありますが、世界で風俗店が広まったのは古代ローマ時代や古代ギリシャ時代だと言われています。特に古代ローマ時代では、風俗専用の通貨が存在するなど文化としてかなり広まっていたそうです。
ポンペイ遺跡には、古代ローマ時代の売春宿が現代も残されており、有名な観光地として高い人気を誇っています。
日本での始まりは奈良時代から平安時代
日本の風俗も諸説ありますが、奈良時代から平安時代に始まったと言われています。「万葉集」や「源氏物語」などの書物に記されており、日本の風俗の歴史は非常に長いです。
ただし、奈良時代から平安時代に始まった風俗は、現代と異なる形で運営されていました。
書物には、性的サービスを提供する女性のことが「遊女」と記されており、またこの「遊女」は巫女として神社で神にも仕えていたそうです。
性的サービス以外にも歌や踊りをしていたことから、風俗という概念ではなく遊芸の一環として性交を行い、それが日本国内での風俗の始まりとされています。
現代の風俗に至るまでの歴史
昔は公営風俗も存在し、国が認めたサービスとして風俗店が運営されてました。ですが、現代の風俗は、多くの規制のもとで運営されています。日本で最初に公営風俗店が設置されたのは戦国時代
日本で最初に公営風俗店が設置されたのは、戦国時代だと言われています。なぜ戦国時代に公営風俗店が設置されたかというと、鎌倉時代あたりから武士の宴会に性的サービスをする「遊女」が連れ込まれるようになったからです。
鎌倉時代は本格的な武家政権による統治が始まった時代で、武士の宴会のために幕府が風俗専用役所の設置、免許発行などで風俗を管理するようになりました。
このような流れから戦国時代には、幕府が認めた公営風俗店が設置され、宴会に派遣するだけではなく店舗型での風俗も誕生するようになったのです。
また、日本で初めて公営風俗を設置したのは、豊臣秀吉と言われています。
豊臣秀吉は、現在の大阪市西区新町に「新町遊廓」を作り、店舗型の公営風俗店を一箇所に集めました。
また、江戸時代には江戸幕府が「吉原遊廓」を作り、その周辺は現代でも風俗街として続いています。
明治・大正は現代のデリヘル型の風俗が主流
明治時代や大正時代の風俗は、店舗型で運営された江戸時代までと異なり、賃座敷営業の風俗が主流になりました。賃座敷営業とは、店舗ではなく借りたお店や部屋で性的サービスを提供することです。つまり、明治時代や大正時代は、現代のデリヘルに近い形が主流になっていました。
また、明治時代や大正時代に風俗が設置されたのは、戦争が大きく関わってきます。
明治時代に日清戦争や日露戦争が始まると、兵士の士気を保つために、大量の風俗嬢が配置されました。
これが現代でも問題になっている慰安婦問題です。
売春宿の設置は戦後から
もともと売春宿は各地に設置されていましたが、戦後になると売春宿の設置数は大幅に増えました。戦後爆発的に風俗が増えた主な理由は、日本に駐屯するアメリカ兵に性的サービスを提供するためです。
ですが、これは性病が蔓延する大きな原因となり、アメリカ兵のために設置した売春宿はすぐに潰されることになります。
売春宿が潰された後、女性たちは町中で売春の営業を始めますが、警察によって一部地域のみに制限されました。
この制限された地域は「赤線地帯」と呼ばれ、現代でも風俗店やラブホテルが立ち並んでいます。
売春禁止法の制定により風俗店が乱立
警察によって赤線地帯のみに制限されていたものの、赤線地帯以外でも売春の営業がされていました。これは街の風紀的に大きな問題となり、1956年に売春禁止法が制定されて路上での売春営業が禁止となりました。
ただし、この売春禁止法によって現代のような風俗の経営形態が始まります。
最初に誕生したのは、ストリップ劇場やトルコ風呂、ピンサロなどです。またトルコ風呂は、のちにソープランドという言葉に置き換わります。
それぞれは、あくまでも他のサービスを提供している体で運営され、風俗とは異なるものとされてきました。
- ストリップ劇場：女性のダンスを男性に見せる劇場の経営形態
- トルコ風呂（ソープランド）：女性が男性にお風呂場で垢すりをする経営形態
- ピンサロ：女性が男性とお酒を飲みながら接待する経営形態
新風俗営業法の制定により違法点が大幅減少
売春禁止法制定後の1960年〜1980年代に、ピンサロやソープランドなど、さまざまな形態の風俗店が爆発的に増加しました。しかし、この風俗店の増加は、詐欺に近い運営の店舗が増えるなど治安に大きく影響します。
そこで、政府は1985年に新風俗営業法を制定し、さまざまな条件をクリアして届け出を出さないと風俗店の営業ができないようにしました。
この新風俗営業法により、違法な風俗店はいっきに減り、風俗が安全に楽しく性的サービスを受けられる場所へと変わったのです。
青年少年保護育成条例で店舗型風俗が淘汰
新風俗営業法によって風俗の規制が厳しくなりましたが、平成時代には各自治体の青少年保護育成条例の制定によって、さらに規制がされるようになります。青少年保護育成条例では、子供が普段使う通学路などで風俗店営業が禁止されるだけではなく、新規の出店も禁止されました。
つまり、現代でも運営されている店舗型の風俗店は、青少年保護育成条例が制定される前に届け出を出していた風俗店だけです。
ただし、店舗型の風俗店が制限される一方で、無店舗型の風俗店が拡大を始めました。
デイバリーヘルス（略称：デリヘル）はこの時代から広く繁栄し、風俗店の中心的な営業形態として地位を確立させてきたのです。
風俗店はこれからどうなる？
新規風俗店の出店が厳しく規制されている以上、今後店舗型の風俗店はこれ以上増えないでしょう。法人として届出を取得していれば、今後も運営が可能で、法人の権利売買などによって運営が継続される可能性は非常に高いです。
ですが、近年は、法律のグレーゾーンをすり抜けている風俗店が警察によって取締を受けることも増えてきています。
そのため、今後の風俗店はデリヘルが一般的になるでしょう。
店舗型の風俗店が減少する中、新規出店が可能なデリヘルは、今後増えていくことが予想できます。
歴史を知った上で風俗を楽しもう！
日本の風俗は奈良時代、平安時代からと非常に長い歴史を持っています。武士が統治している時代や戦争の時代は、武士や兵士の士気を保つために風俗店が運営されていました。
ですが、近年は戦争がなくなり娯楽として楽しめる一方、規制も強まっています。
そういった中で、風俗の歴史を知れば、より一層風俗に親しみを持って楽しむことができるでしょう。
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